召集と千人針(腹巻)他国と戦争情態になると、兵役義務(二十才から四十才)のあるものには、兵員の必要に応じ、召集令状が交付される。赤い(ピンク色)巾十五糎長さ二十糎位のものでありますので、世間では俗に召集が来た、赤紙が来たと称した。それは各地の聨隊区司令部より町村役場を経て、各人に配付要員によって渡された。召集を受けたら、家族の方(主に女の方)が必ず千人針を拵える。それは、木綿の白布地に、千個の糸の通す処を赤で印し、その処へ赤糸で千人の女の方が糸を通してむずぶのです。それで各家族の方は、各家訪問や街頭で道行く女の方にお願いして作ったのでした。又、それをお宮等で武運長久の祈祷をし、又死線(四銭を越えての意味で)五銭貨幣を縫い込むこともあった。それを出兵される方の腹巻きとし、所謂弾丸除けの祈りの誠心であった。 |
1984年発行の、『ふるさと上秋津 ー古老は語る−』を、2009年秋津野マルチメディア班がWeb版に復刻いたしました。
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