肥取り(下肥汲み)

 以前(昭和三十年位)は、此の付近の農業、特に野菜・麦・稲作りの肥料は、下肥(大便小便)が重要な物であった。それで自家のものは風呂水を入れ、増量し、田の側に溜つぼを作り、腐財貯蔵したが、尚不足故田辺市内や江川・磯間方面迄野菜や果物食糧を持参大きな桶(たんご)を車につけて人力で運んだり、牛馬で運ぶ人もあった。そして田の溜つぼに入れて腐熟さし、作物に施用した。又江川や磯間方面の漁業者宅にては、魚の料理した臓物や頭及び骨を貯めてもらって腐敗さして、肥料にした。此れをわた肥と言った。

下肥 人の大便小便を言う。
厩肥 牛馬等糞尿を堆積したもの。
金肥 科学肥料魚豆菜種等の絞り粕。
シザキ 山野の活葉樹及草の新梢を堆積したもの。




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1984年発行の、『ふるさと上秋津 ー古老は語る−』を、2009年秋津野マルチメディア班がWeb版に復刻いたしました。

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