奇絶峡の句碑と歌碑奇絶峡には一基のの歌碑と二基の句碑がある。歌碑には、 大きな岩に彌陀三尊を浮き彫す 千代に伝へてみ法とくなり 岸 信宏 昭和四十一年、奇絶峡に摩崖の三尊仏を彫刻したところから、その後、当地にゆかりのある岸師に依頼して建てたもの。 句碑は、 葛の花折りて滝見に上がりけり 青々 昭和三年八月、松瀬青々が詠んだものを奇絶峡の観光化に力を入れていた当地のタクシー会社がその直後建てた。 み仏の肩に秋日の手が置かれ 誓子 山口誓子は俳誌「天狼」主宰。昭和四十四年吟遊の折のもので、誓子は、「大きな岩に摩崖仏が彫ってありました。そこへ、秋のもれ日が当っていました。太陽というと神様を思います。摩崖仏の肩にさし込んでいる光は、神様の手がそこに置かれているのだと思いました。」と説明している。句碑は翌四十五年十月有志によって建てられた。 (中瀬喜陽) 田辺―ふるさと再見(あおい書店刊行)より |
1984年発行の、『ふるさと上秋津 ー古老は語る−』を、2009年秋津野マルチメディア班がWeb版に復刻いたしました。
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