上秋津農業は豊かか

B上秋津農業は豊かか。

 農家の収入は、上秋津でも全般的には年々減少する傾向とみられるといわれる。最新の統計ではないが、2000年99月から10月に地域のすべての農家を対象におこなった調査結果をもとに、上秋津の農業に光を当ててみる。 上秋津の農家から出荷、販売される農産物のほとんどは、温州ミカン、中晩柑類、青ウメである。一戸あたりの農産物の販売額は、農家によって大きく分かれる。 販売額規模500万円未満の農家は、51.7% と半数以上もあり、一番多い。
これに対し、700万円以上の農家は30%近く、1000万円を超える農家が15%あまりもある。上秋津は、販売金額の多い農家の比重が、全国平均にくらべて多い。全国的にみれば、あるいは和歌山県全体からみれば、上秋津農業は豊かということになる。
 そうしたなかで、地域農業が直面する課題が、農家から示されている。アンケートで多くの声が出されたものをあげると、農地・生産基盤関係では傾斜地が多く土地が狭いなど「農地の条件が悪い」が一番で、農業の担い手・労働力では「農業従事者の高齢化と若い担い手不足」、農業生産では「ウメ枯れ(生育不良)」、そして価格・市場・流通面では「農産物価格の低迷」となっている。こんにちの日本農業、和歌山県農業が抱える共通の課題である。「全国との比較では語れない」と、農業関係者は指摘する。収入が減るなかで「豊かさ」は実感しにくい。 


40 歳未満の青年 農業者のアンケート


















農業経営および地域農業の将来方向に対する意向



農作物の販売方法についての意向

直売所についての意向










上秋津地域農業が現在抱えている問題点







上秋津地区の人口増・都市化および新住民に対する意向(農家の側から)




農業活性化、地域活性化のために必要な施策