数字は語る上秋津と農業のすがた

● 数字は語る上秋津と農業のすがた

@際立つ「農家らしい農家」

 『マスタープラン』の作成にあたって、2000年秋に全農家を対象におこなったアンケート調査がある(対象者320人、回答者315人。回答率98.4% )。そこには、上秋津野における農業の現状と農家の意識が映し出されている。 上秋津の農業経営主は、壮年層の比重が全国平均および和歌山県の平均より高い。逆に、高齢層の比重が低くなっている。数字で示すと、40代から50代の壮年層が45.1% と2人に1人近くを占める。ただ、60代以上の高齢層も41.9% (うち70歳以上が19.4% )と4割を超えており、将来的には世代交代が避けられない。農家の形態では、主業農家の割合が55.9% と2軒に1軒以上は農業を専業とする農家で、準主業農家(15.9% )とあわせると71.8% 、7割を超える。

 2000年の「農業センサス」によれば、主業農家の全国平均比率は16.0%、和歌山県のそれは26.1%である。上秋津における主業農家の比率が全国平均、和歌山県平均にくらべて比較にならないほど高いことがわかる。「農業を本業とする農家、農家らしい農家が大きな比重を占めている」のが、上秋津農業の特色だ。家族構成をみると、経営主夫婦と子、祖父母の3世代で農業をしている農家が、ほぼ3割(29.8% )もある。農業を大切にするこの地域と農家のすがたが、数字からもうかがえる。