秋津野未来への挑戦−地域になくてはならない場所として |
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●地域になくてはならない場所として 公民館が、地域づくりで大きな役割を果たしている地域がある。すぐれた活動を展開する公民館がある。宮崎県・綾町は、その代表的な事例である。人口約7600人のこのまちは、かつて「夜逃げの町」と呼ばれるほど、ひとびとの暮らしは苦しかった。いま、そのまちに年間約120万人のひとが訪れる。「照葉樹林」を保全して、「有機農業」のまちとして地域を再生、全国のモデルケースになったからだ。そして、このまちのひとたちに地域再生を成し遂げさせたのは、「自治のこころ」を育んだ「自治公民館」と公民館活動だった。 長野県飯田市。飯田市の公民館は、生涯学習、社会教育の観点を大切にした、公民館活動で先進地として知られる。「公民館なしでは、地域の活動は存在しない」、と上秋津公民館館長の玉井常貴さん(1944年生)は話す。 上秋津公民館は、前に述べたようにスタッフとしては館長と主事の2人である。これを、公民館運営委員会がささえる。委員会の構成メンバーは、10人の運営委員と各種団体からの協力員、そして10地区の体育委員、いずれもボランティアである。そこで、年間に実施するいろいろな事業などを決定していく。 館では、これまで生涯学習の拠点、そして地域づくりの拠点としての役割を果たしてきた。「公民館への期待の大きさ」は、評価のあらわれである。公民館活動を支援するひとたちも、育ちつつあるという。玉井さんは、「広域合併のもとで、これまで以上にひとづくり、地域づくりが大事になってくるはずです。公民館の役割は大きい」とみる。 マスタープランは、上秋津公民館に、「地域づくりを支える共同学習センター」としての役割、地域づくりの拠点として公民館を積極的に活用したむらづくりを提言している。住んでいる年数を超えて、地縁とともに思いである「志縁」を大切にした活動を展開する。地域の課題を解決するために、住民・地域の実践者・専門家が対等、平等に学び合うワークショップ、「上秋津ムラづくり大学」の創設、公民館はそうした提言に応え、次の一歩を踏みだそうとしている。
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