秋津野未来への挑戦−たいがい灯がついている、公民館は学びの場 |
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●たいがい灯がついている、公民館は学びの場 「一年中休みなし、たいがい灯がついている」「利用状況は、日本一ではないか」、地域の住民の目に映る「上秋津公民館」がそこにある。「利用状況、日本一」か否かはさておき、上秋津公民館では連日数多くのサークルや教室が開かれている。 公民館がある、上秋津農村センターの利用状況を示す2001年度(平成13年度)の資料がある。それによると、年間に約30の団体が382回使用している、使用回数が30回を超す団体もある。「地域のあらゆる会議が開催されている」、利用者数はのべ10、128人にのぼる。サークル・教室の利用者をあわせると、その数は15,000人以上になる。「一年中休みなし、たいがい灯がついている」という言葉も、うなずける。
上秋津は、住民の文化・スポーツ活動が活発な地域である。絵画、切り絵、書道、ペン習字、陶芸、卓球、ギター、秋津野合唱団、写真、パッチワークの一〇の教室、サークルがある。運営は、各団体の自主運営だ。一年間に学んだ成果は、毎年三月に開く文化作品展で発表される。また、各教室やサークルは、地元のイベントが開かれるときに、ポスターの字や絵を描いたり、パンフレットの写真撮影などに協力している。学びの地域への還元である、それがいずれも、ボランティアなのである。 上秋津を訪れたひとたちが、一様に驚くことがある。秋津野合唱団の秋津野の里に響く元気な歌声と、美しいハーモニーである。秋津野合唱団は音楽を愛する男女、歌をうたうことが好きなひとたちによって1985年(昭和60年)に結成された。歴史は20年近くになる。団員が出演する秋津谷コンサートは、となりの秋津川地域との共催である。公民館の活動といえば、敬老会と運動会の主催・運営という公民館もあるが、ここは違っている。文化に親しみ、スポーツを楽しむひとが多い背景には、生涯学習にたいする住民の関心の高まりがある。公民館活動の参加者は女性に多い、女性は男性の2倍になっている。4人のうち3人は50歳以上のひとで、3人に2人は20年以上上秋津に住んでいるひとだ。そうしたひとたちの7割以上は、「趣味を豊かにするため」「他の人と親睦を深めたり友人を得るため」をきっかけにはじめている。「自分づくり」「仲間づくり」の場として、公民館がある。 地域の文化活動を活発にしているのは、地域に指導者がいることも大きい。そして、バックアップする公民館の存在である。公民館は、館の活動の柱に生涯学習の積極的な推進を据えている。 公民館にたいする期待は、幅広い。学びたいこと、学習ニーズの上位は、自然環境保護・ゴミ産業廃棄物が50%で一番多く、次いで健康・医療と子育て・教育がそれぞれ二九%、福祉・介護が「24%と続く。パソコン・インターネット、地域社会の活性化について勉強したいという声も多い。現在、日本社会で多くの市民が関心を寄せる内容が並ぶ。公民館という場を活かして、余暇を、老後を豊かに生きる上秋津の住民の、「文化水準の高さ」を感じる。 公民館はどういうところか、住民の62%が、公民館は「住民自ら学ぶところ」と考えている。
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